若手と管理職の意識調査
- 2015年11月11日
- ビジネス
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- 上司・部下の距離感と評価
4. 上司・部下の距離感と評価 調査結果
- 若手が理想とする上司との距離感「遠慮しないで意見を言い合う"協働型"」が4割
3割弱は「上司の判断にしっかり従う"管理型"」が理想 - 理想とする距離感から見えた意識差「上司に管理されたい若手」と「部下の自主的な行動を望む管理職」
- 理想の距離感タイプによって仕事に対するスタンスは違う?
- 若手に尊敬されるのは「業務知識・能力」「人脈」「社内営業力」が優れた上司
- 若手視点 上司には「コミュニケーション力」と「カリスマ性」が足りない?
- 上司が若手の評価で注目しているのは「業務知識・能力」や「課題把握力」
全回答者(1,000名)に対し、理想的な上司・部下との距離感について質問を行いました。
若手(500名)の回答では、「何でも相談しあえて、プライベートも仲が良い(以下、密着型)」が11.6%、「立場に遠慮せず意見を言い合えて、良い意見は尊重し合える(以下、協働型)」が40.0%、「上司が責任を持って判断し、部下は指示にしっかり従う(以下、管理型)」が28.8%、「部下が自主的に行動し、困ったときは上司が助言・手助けをする(以下、助力型)」が19.6%となりました。協働型のフラットな関係性を理想とする回答が最多となりましたが、管理型の割り切った関係性を理想とする回答も3割弱と少なくありませんでした。
対して、管理職(500名)では、「協働型」が50.6%、「助力型」が27.4%でそれぞれ若手よりも高く、「管理型」は14.0%で若手よりも低くなりました。部下と気兼ねなく意見を戦わせられる関係性であったり、自主的に動く部下をサポートする関係性であったりと、自主的に行動する部下との関係性を望む傾向が強いように見受けられました。
「理想的な上司・部下との距離感」として、最もあてはまるもの(単一回答形式)
理想的な上司・部下との距離感で分けたタイプによって、仕事に対するスタンスに違いはあるのでしょうか。仕事とプライベートでどちらかを選ばなければならないようなシチュエーションを挙げ、どちらを優先するのか聞いた質問の若手の回答結果を、タイプ別にみてみました。
まず、「【P】上司からの食事のお誘い」と「【Q】気になる異性からの食事の誘い」のどちらを優先するかでは、「【P】を優先する」が密着型では34.5%となり、他のタイプより高くなりました。"業務時間外に恋愛より上司との付き合いを優先"というスタンスは、上司とプライベートでも仲が良い距離感・密着型を理想とする若手に多いようです。
また、「【P】急にお願いされた残業」と「【Q】スキルアップのための習い事の予定」のどちらを優先するかでは、「【Q】を優先する」が助力型では30.6%と他のタイプに比べ高くなりました。部下が自主的に行動し、困ったときに上司に助けてもらう距離感・助力型を理想とする若手は、"仕事より自己投資を優先"する傾向が他のタイプに比べ強いようです。
【P】と【Q】、どちらを優先させるか(各単一回答形式)
次に、若手の目には、管理職がどのような存在として映っているのか、質問を行いました。
若手(500名)に対し、直属の上司(管理職)のすごいと思う能力は何か聞いたところ、「業務知識・能力」が43.0%で最も高くなり、次いで「人脈(顔の広さ)」(27.0%)、「社内営業力(立ち回りの上手さ)」(22.0%)が続きました。業務を遂行する知識と力が備わっている点はもちろん、社交的で交友範囲が広い点、社内での政治力を持っている点なども上司のすごい能力として尊敬している傾向にあるようです。そのほかにも「リカバリー力(失敗したときの立ち回り)」や「発言力(自分の意見を言える・通す力)」(ともに17.4%)、「顧客折衝力(顧客との駆け引きのうまさ)」(16.4%)といった、仕事における"交渉力"や"調整力"といえそうな能力が、上位に散見されました。
反対に、直属の上司に足りないと思う能力は何か聞いたところ、「気持ちを察する力(空気を読む力)」(18.6%)と「カリスマ性(一目おかれる存在感)」(16.4%)、「意思疎通力(適切な言葉や表現を用いて、過不足なく情報を伝達できる力)」(14.2%)がトップ3項目となりました。相手の気持ちを読む力、過不足なく情報を伝達できる力など、"コミュニケーションに関する能力"が上位となりました。考えていることを理解して欲しい、指示や教育を適切な言葉で行って欲しいといった思いを上司に対して抱いている様子が窺えました。また、カリスマ性も上位に並んでいるため、"自分の上司は格好いい"と思えるような姿や実績を、内外に示して欲しいとの思いもあるのではないでしょうか。
直属の上司(管理職)のすごいと思う能力/足りないと思う能力(各複数回答形式)
- *対象:若手(n=500)
同様に、管理職(500名)に対し、直属の部下のすごいと思う能力はなにか聞いたところ、「業務知識・能力」が20.4%、「責任感(最後までやり遂げようとする意思)」が18.8%、「人脈」が10.0%で続きました。以下、「吸収力(学ぶ姿勢)」9.4%、「課題把握力(何が課題なのかを正しく把握する力)」が9.0%、「柔軟性(臨機応変に対応できる)」が8.2%で続きました。業務に必要な知識・能力や責任感、そして吸収力や課題把握力などの仕事を"学ぶ姿勢"に関する項目が上位に散見されました。
反対に、直属の部下に足りないと思う能力について聞いたところ、「業務知識・能力」(25.2%)、「課題把握力」(23.0%)、「社内営業力」(22.8%)、「意思疎通力」(21.4%)、「人脈」と「時間管理能力(タイムマネジメント)」(ともに21.0%)、「判断・決断力(判断が的確、自分の責任で判断を下せる力)」(20.0%)が2割台で続きました。業務知識・能力や課題把握力などについては、部下のすごいと思う能力でも上位となったことから、上司が部下の評価をするにあたり、これらの能力の有無に注目をしていると言えそうです。
直属の部下(若手)のすごいと思う能力/足りないと思う能力(各複数回答形式)
- *対象:管理職(n=500)
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