若手と管理職の意識調査
- 2015年11月11日
- ビジネス
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- 仕事観で見る価値観の違い
2. 仕事観で見る価値観の違い 調査結果
若手と管理職の仕事に対する意識や価値観の違いを探るべく、20~29歳で役職を持たない会社員・公務員(若手)500名と30歳以上で課長クラス以上の役職を持つ会社員・公務員(管理職)500名、合計1,000名(全回答者)に、「若手と管理職の意識調査」を行いました。
- 若手は「計画通り」や「スキルアップ」がモチベーションに
- 管理職のモチベーションの源泉は「難しい仕事」や「お客さまから感謝」
- 若手は「サービス残業」や「デスマーチ」、管理職は「周囲からの評価」や「板挟み」がストレス要因
若手と管理職はそれぞれ、どんな仕事に"喜び"や"やりがい"を見出しているのでしょうか。全回答者(1,000名)に対し、どんな仕事(の成果)で、モチベーションが湧くか質問したところ、若手(500名)では、「事前の計画通り業務を完遂すること」が34.0%で最も高く、次いで「一緒に働くメンバーに感謝されること」(33.4%)、「成果に見合った給料が貰えること」(33.2%)、「新しい知識・技能を身につけられること」(31.4%)などが3割台で続きました。管理職(500名)では、「難易度の高い業務を完遂すること」が5割半(54.2%)で最も高く、次いで、「お客さまに感謝される/笑顔がみられること」が5割(49.4%)、「事前の計画通り業務を完遂すること」(44.0%)や「成果に見合った給料が貰えること」(42.0%)、「一緒に働くメンバーに感謝されること」(40.6%)が4割台で続きました。
ランキングで比較をすると、若手では、「事前の計画どおり業務を完遂すること」(1位)や「就業時間内に業務を完遂すること」(5位)といった、業務計画や業務時間のコントロール関連や、「新しい知識・技能を身につけられること」(4位)や「専門的な知識・技能を身につけられること」(7位)といった、スキルアップ関連が管理職と比べて上位となりました。きちんとコントロールできる仕事や、自分自信のスキルアップに繋がる仕事にモチベーションが湧く傾向があるようです。対して管理職では、「難易度の高い業務を完遂すること」(1位)や「お客さまに感謝される/笑顔がみられること」(2位)などが若手と比べて上位となりました。難しい業務をやり遂げる達成感や、顧客に感謝される喜びなど、報酬面以外の成果でモチベーションが湧く傾向にあるようです。
どんな仕事(の成果)で、モチベーションが湧くか(複数回答形式)
では、どんな仕事や職場環境を忌避する傾向にあるのでしょうか。全回答者(1,000名)に対し、もし、起きたら我慢できない程の強いストレスを感じてしまう、仕事上のできごとはなにか聞いたところ、若手(500名)では、「職場での人間関係が険悪になる」が44.2%で最も高く、「他人のミスを押し付けられる」が41.0%、「減給・減棒をされる」が38.8%で続きました。管理職(500名)では、「職場での人間関係が険悪になる」が41.6%で最も高く、「減給・減棒をされる」が38.0%、「他人のミスを押し付けられる」が32.2%で続きました。若手も管理職も、人間関係の悪化やミスの押し付け、給料の減額はストレス要因になるようです。
ランキングで比較をすると、若手では、「サービス残業を強要される」(4位)や「長期間、忙しい状態が続く(休日出勤が続くなど)」(6位)などが管理職と比べて上位となり、管理職は「上司から見放される」(5位)や「後輩・部下から見下される」(7位)、「意見の対立で板挟みになる」(9位)などが若手と比べて上位となりました。サービス残業や連日に渡る休日出勤などの労働環境関連で強いストレスを感じる若手と、周囲からの評価や意見の板挟みに強いストレスを感じる管理職、といった特徴が見受けられました。
もし、起きたら我慢できない程※の強いストレスを感じてしまう、仕事上のできごとはなにか(複数回答形式)
- ※会社を辞めたくなってしまう、後先考えず怒ってしまう、仕事に手がつけられないほど落ち込んでしまう程度
- 「上司との付き合いvs気になる異性とのデート」若手も管理職も7割超がデートを選択!
- 友人の結婚式当日に仕事でトラブルがあったら?「休日出勤する」若手は3割半、管理職は4割強
- 若手のほうが自己投資を重視「今日は習い事で急な残業はできません」若手2割半、管理職1割強
- 上司の送別会よりアイドルの解散コンサート?「送別会よりも趣味のイベント優先」若手4割強、管理職3割弱
続いて、若手と管理職の仕事に対するスタンスの違いを探るため、仕事とプライベートでどちらかを選ばなければならないようなシチュエーションを挙げ、どちらを優先するのか、質問を行いました。
まず、「【P】大事な会議」と「【Q】急病の家族の病院への送迎」のどちらを優先させるか、全回答者(1,000名)に聞いたところ、若手(500名)は「【P】を優先する」が23.4%、「【Q】を優先する」が76.6%となり、家族を優先する方が多数派となりました。この割合は管理職(500名)でも同様の傾向で、"仕事よりも家族を優先させる"というスタンスには、若手・管理職の間で差はみられませんでした。
同様に、「【P】上司からの食事のお誘い」と「【Q】気になる異性からの食事の誘い」のどちらを優先するか聞いたところ、「【Q】を優先する」が若手(71.2%)、管理職(71.0%)ともに7割強で多数派となり、"業務時間外では上司との付き合いよりも恋愛を優先"というスタンスに、若手と管理職の差はみられませんでした。
「【P】トラブル対処のための休日出勤」と「【Q】友人の結婚式参列」では、「【P】を優先する」が若手では34.2%に、管理職では42.2%となりました。想定しているトラブルの重大さが役職の有無によって異なっていることも考えられますが、"休日であっても緊急時には仕事を優先するべき"とのスタンスでいる管理職は若手より多く、若手と管理職との意識差が窺えました。
「【P】急にお願いされた残業」と「【Q】スキルアップのための習い事の予定」では、「【Q】を優先する」が若手では24.8%となり、管理職(13.8%)より高くなりました。また、「【P】上司の送別会」と「【Q】趣味に関する限定イベント(例:好きなアイドルの解散コンサートなど)」では、「【Q】を優先する」が若手では42.8%と、管理職(28.0%)よりも高くなりました。若手は管理職と比べて、仕事よりも自己投資を、職場のイベントよりも趣味のイベントを優先する傾向が強いようです。
【P】と【Q】、どちらを優先させるか(各単一回答形式)
- *「例:好きなアイドルの解散コンサートなど」と例示して聴取
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